ホワイトキューブの茶室から-私芸術論―

京都と大阪の<まんなか>あたり/やや現代美術<寄り>のギャラリー/ここでは日常のあれこれが「芸術」になる<手前>を考察できればと。。。

富士山論 2

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先の富士山論を語っていた私はまだ富士山に登ったことがありませんでした。
 
よく考えたら富士に登ったことが無いのに富士を語るなんて。。。なんと軽率なことをしてしまったんだろう。。。
 
そんな私に富士登山の話は唐突にやってきました。
家内が突然「富士山に登ろうよ!」って、思いつきとしか言えないノリで言い出しました。
 
ほらほら、って『はじめての富士登山』って本まで買ってきて、私に見ろ見ろって勧めてきます。
 
「えっ、そんな。。。山登り自体したことないのに。。。」私がうろたえているのを尻目にパソコンで富士登山ツアーを見つけて「早く予約して!」って私を急かしてきます。
 
私もよく分からないまま、何となく「一日たっぷり富士山満喫ツアー・フリープラン」&登山グッズ一式レンタルを予約。その五日後には出発という慌ただしさでした。
 
私、家内、次男(高2)、長女(小5)の4人でチャレンジすることになりました。
 
ツアーは夜11:00京都駅発の夜行バス。っていうか普通のバス。
朝8:00頃に富士スバルライン5合目着。
予定では19:30五合目下山のバス発。それまでに戻ってくる、みたいな感じです。
 
ちょっと寒かったので、雨具を着込んで防寒準備。下山後に温泉に行くことになっていたので、着替えやタオルはコインロッカーにと、荷物を振り分けたりしながら1時間ほど時間を潰して高地に順応してからいよいよ出発。
富士を前にしてみんな異様な高揚感に包まれて、夜行バス明けのわりに意外に元気でした。
 
しかし、実際の富士は行けど行けど、ただただ長い道のりでした。
 
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時々振り返っては、目の前に広がる大地を見ながら「スゴイね!スゴイね!」って自分を盛り上げるも、行く道を見上げるとすぐに萎えてしまいます。
 
時折雲の中に入ると一瞬にして真白になって強風と雨粒が襲ってきます。
さらに風と一緒に火山灰が礫になって飛んできてイタタタって、それだけでもうドキドキもんです。
 
夕方には5合目に戻ること考えたら、絶対山頂までなんて無理だって、って私が言うのに家内と次男はアタックしてくるって、私と娘を残してズンズン登ってゆきます。
 
よし、ではでは、私はここでいったん酸素吸入して体勢を整えようとザックの中を探すと、そこにはなんと着替えやタオルが入った温泉セットの割と大きな袋が。。。
 
酸素やマスク、非常食を入れた登山グッズの袋を取り違えてロッカーに。。。
温泉セットを背負って登山してたのか。。。
私、ここで心折れました。
 
結局、私と娘は7合目でギブアップ。登山道を逆走する形で下山。
 
家内と次男は8合目でギブアップ、ではなくタイムアップだそうです。で、きちんと下山道から下山。
 
とにかく、汗と火山灰と疲労にまみれてみんなもうボロボロでした。
 
めっちゃどでかい山でした。
トラウマです。
もう2度と登りたくない、って思わされました。
 
しかし、家内は次の日さっそく本屋さんで『親子で登る富士山』って本を買っていました。
 
次あるんですね。。。